日本の道路の中心として江戸時代の初期に架けられた日本橋、短い橋ではありますが、そこにはたくさんの豆知識が詰まっています。今回はその4回目、さすがにそろそろ終わりにしようかと思います。

以前の記事はこちら その1 その2 その3

4回にわたってブログに書いていますが、何しろ私は、東海道の旅にお客様を案内するとき、日本橋を出発するにあたって日本橋のネタだけで40分もしゃべってしまいます。

現在の日本橋は明治44年(1911)に架けられた石橋です。その88年後に国の重要文化財に指定されています。

架橋直後の日本橋

この橋は石橋なのですが、実は石でできているのが外装だけで、内部は強度を増すために別の素材が使われています。

道路に面した橋の北側と南側にはコンクリート、橋の中央部分はレンガで内部ができているのです。

そして欄干の上には青銅製の獅子像や麒麟像、街灯柱が配置されています。

これらの日本橋にある青銅製の装飾の数々ですが、この中で一番多いのは何でしょう?

それは獅子像なのです。

それでは獅子はいったい日本橋に何匹いるでしょう?

まず四隅に1匹ずつ、合計4匹です。

次に獅子と麒麟の背後にある柱の上の方を見てください。

この柱にも4匹ずついるんですね。柱の数は6本ありますから、4×6で24匹。さっきの4匹と合わせて合計28匹です。このように、日本橋にいる獅子は合計で・・・

 

実は32匹いるんです!

 

それでは残りの4匹はどこにいるのでしょう。

いったん橋を渡りきって、左右にある階段を降りてみてください。そこから橋の側面を見ると・・・

 

いたっ!

 

側面から見たアーチの頂点のところに1匹ずつ、両側を合わせて4匹の獅子が、橋の側面にいるのです。

これで合計32匹なのです。

この橋は道路の起点という以外にも、江戸から東京へと変遷してきた町の中で、流通の要という重要な役割を果たしてきました。

北が中山道、南が東海道という江戸時代からの大動脈があり、橋の下には川が流れていて、かつては船で運ばれてきた様々な物品が、日本橋の両側で荷揚げされて売買されていました。

そのため日本橋周辺には、江戸でも有数の大商人たちが店を構えました。現在もある三越、国分、西川などはそれらの店が現在もつづいているものです。

こうして江戸は日本一の大経済都市となり、それが引き継がれて現在の東京があるのです。

みなさんもよくご存じの日本橋、一度じっくりとご覧になってはいかがでしょうか。

(歩き旅応援舎代表 岡本永義)