日本橋です。

歩き旅応援舎では、東海道の歩き旅の出発点として、あるいは古地図を見ながらの町歩きで立ち寄る場所としてお馴染みです。
日本橋は、徳川家康が初めて架けて以来、日本の道路の中心ということになっています。

現在も地方を車で走っていると「東京80km」などと書かれた標識を見かけます。
この「東京」は日本橋を指しています。
そんなわけで、日本橋の中心にあたる場所、橋の左右にある麒麟像を結んだライン上の中央線の場所の路面には、道路元標のプレートが埋め込まれています。



※車道のまん中です。危険ですから写真を撮りに行ってはいけません!
橋の北のたもとにはレプリカがあります。
本物は歩道から見ることにして、正面から見るならレプリカを見てください。


レプリカとはいっても、同時に同じ原料、同じ型を使って2つ造ったうちの1つですので、日本橋の中央にあるものとまったく同じです。
この日本国道路元標の文字は、第61~63代内閣総理大臣の佐藤栄作が書いたものです。平成22年(2010)から翌年にかけての補修工事のときには、日本橋の真ん中に設置されている道路元標も取り外されました。すると裏面には「昭和四十七年 内閣総理大臣 佐藤栄作」の署名がありました。
以下をクリックすると東京国道事務所発行のPDFで、その様子を見ることができます。
→道路元標のとりはずし
裏面にも書いてあるとおり、現在の道路元標は昭和47年(1972)に設置されたものです。
その前にはなにがあったのかというと、「東京市道路元標」と書かれた柱状の道路元標がありました。

こちらの写真にも写っています。

現在は日本橋の北詰に移設されています。日本橋とともに国の重要文化財に指定されています。
この「東京市道路元標」には街灯の役割もありました。
見ての通り、てっぺんと中程にあるガラスの部分が街灯です。
使われていたのは電灯でした。だから電気を引かなくてはいけません。
その跡も補修工事で見付かっています。
中央分離帯の下から電線を通すための管が見付かったのです。
ところで、東京市道路元標にはもうひとつの役割がありました。
ヒントはこの写真。

日本橋の上を市電(後の都電)が走っています。
この市電に電気を供給する架線柱の役割が、東京都道路元標にはあったのです。
電線がぶら下がっていたのはこの部分です。

ところで次の写真は明治44年(1911)ころ、現在の日本橋ができあがった直後くらいの写真ですが、

あ れ ?
(歩き旅応援舎代表 岡本永義)
【参照文献】
国土交通省関東地方整備局東京国道事務所作成「日本橋 百年の歴史を次の百年へ ~補修工事の紹介~」
「東京府名勝図会」田山宗尭編 明治45年刊
「帝都復興史」復興調査協会編 昭和5年刊
「大東京名所百景写真帖」昭和12年刊
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