2024.8.4(橋の日)

日本橋です。明治44年(1911)に架けられました。

 

富士川橋です。大正13年(1924)に架けられました。

 

安倍川橋です。大正12年(1923)に架けられました。

 

大井川橋です。昭和3年(1928)に架けられました。

 

いずれも東海道に架かる橋ですが、それ以外に共通点があります。
それはなんでしょう?

答えはこの人!

だ れ ?

この人の名前は樺島正義、明治後期から昭和初期にかけての橋梁技術者です。
東京市で橋梁課長・土木課長などを歴任しましたが、明治40年(1907)ころより部下の米元晋一とともに日本橋の構造設計を行いました。

その後東京市内の多くの橋、鍛冶橋、呉服橋、一石橋などの設計に関わりました。
鉄筋コンクリートづくりのアーチ橋を得意として、構造ばかりでなく外観の美しさにもこだわったところに特徴があります。
これは日本橋を設計したときに外観の設計を妻木頼黄が担当しましたが、そのときの経験が強く影響しているようです。

残念ながら関東大震災の復興事業による橋の架け替えや、戦後の川の埋め立てなどによって、現在は都内に彼が設計した橋はほとんど残っていません。

昭和10年(1935)に東京市を退職して、個人事務所を開きます。
この個人事務所時代に、国道1号の橋の架け替えを行っていた静岡県から依頼され、富士川橋、安倍川橋、大井川橋を設計しました。
東京市時代とは異なって、鉄骨を使った橋を設計しています。

日本橋、富士川橋、安倍川橋、大井川橋という東海道を代表する4つの橋は、同じ人が設計に関わっていたのです。

 

(歩き旅応援舎代表 岡本永義)

【参照文献・画像出典】
「四谷見附橋開橋記念」(国立国会図書館デジタルコレクションより)
「樺島正義の仕事と橋梁設計思想」

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