2024.8.6
品川宿は江戸から一番近い東海道の宿場ということもあり、大名が建てたものをはじめとして多くのお寺があります。
その中でも北品川1丁目の善福寺は、伊豆の長八の鏝絵があることがガイドマップなどに記載されているお寺です。
善福寺は永仁2年(1294)創建と伝わる時宗のお寺です。
なんと2世遊行上人の他阿真教上人(大手町の将門首塚や神田明神を造ったと伝わるお坊さん)が自ら建立したと伝わっています。
伊豆の長八は本名を入江長八と言います。
伊豆の松崎の出身のため「伊豆の長八」と呼ばれ、天保4年(1833)に19歳で江戸に出て左官職人となり、鏝絵の達人、彫刻家として名を上げました。
松崎は風の強いところで、家屋の外部を漆喰で固める土地柄でした。
そのため漆喰を用いてデコレーションした絵を描く鏝絵がさかんになり、鏝絵を得意としていた長八は、もっと絵の修行を積んで腕を上げるために江戸に出てきたのです。
江戸での鏝絵デビューは天保12年ころと思われますが、茅場町の薬師堂(現在の智泉院)の柱に、昇り竜と下り竜の鏝絵を描いたことです。
この昇り竜と下り竜は江戸で評判となり、江戸出身の左官職人たちの嫉妬を買って、長八を闇討ちにする計画まで立てられたという伝承まであります。
長八は深川に住んでいましたが、品川には後妻の実家があり、商家や寺の求めに応じて品川の各所で鏝絵を製作したようです。
品川に現存する鏝絵は2箇所。
この善福寺の本堂にあるものと、寄木神社の本殿にそれぞれ描かれています。
善福寺の本堂は土蔵造りとなっています。
日頃は扉が閉じていますが、たまに開いていて美しいご本尊を拝むことができます。
この本堂の外壁に漆喰で描かれている竜と雲、これが伊豆の長八の作と伝わる鏝絵です。
残念ながらかなり痛みが激しいです。
文化財の保存や維持をするのははたいへんです。
東京都内には伊豆の長八の鏝絵が多数残されていたのですが、そのほとんどが関東大震災によって失われてしまったそうです。
品川宿には旅籠だった土蔵相模にもあったそうですが、これも現存しておりません。
善福寺には万治元年(1658)に建てられた石造念仏講供養塔もあります。
同時代の供養塔は珍しく保存状態も優れていることから、品川区の有形文化財に指定されています。
ただし墓地の中にあり、日頃は非公開です。
この善福寺の道1本へだてた隣には、法善寺がありました。
現在は2つのお寺の境内がせまくなり、少し離れた感じがしますが、場所は変わっていません。
この法善寺に関してはまた別の機会に
→つづく
(歩き旅応援舎代表 岡本永義)
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