2024.8.29

神奈川宿の文人が書いた「金川砂子」という江戸時代の書物があります。
そこには神奈川宿の京都側の入口前にあった一里塚が描かれています。

「金川砂子」に描かれた一里塚周辺
国立国会図書館デジタルコレクションより

一里塚の横にはお寺が描いてあります。
東海道を歩いている人たちから「神奈川の空中楼閣?!」と注目を集めている三宝寺です。

現在の三宝寺

また、神社も書いてあります。
大綱金刀比羅神社です。

現在の大綱金刀比羅神社

ここから東海道は坂道を上ります。
歌川広重も浮世絵に描いた神奈川台です。

東海道五拾三次 神奈川台の景

神奈川台の道は山と海との間にあります。
そのため金刀比羅神社も東海道よりも高いところにあります。

大綱金刀比羅神社の階段

この階段をのぼって神社の境内に入ると、そこには・・・

天 狗 ?!

今は金刀比羅神社とはいうものの、この神社はもともと飯綱大権現と呼ばれていて、その境内に金刀比羅神社があったのです。

権現というのは仏様が神道の神様の姿を借りて現れたものとされており、神仏習合の神さまです。
飯綱権現は不動明王が烏天狗の姿を借りて現れたもので、長野県の飯綱山に祀られています。
その分社が神奈川宿の外れであるこの地にもあったのです。

「え? 天狗って神道の神様?!」
天狗について掘り下げるとドツボにはまるので、今回は置いておきます。

神奈川の飯綱権現には、天狗の伝説があります。

むかし、この神社の境内には大きな松の木があったそうです。
神奈川宿は八王子の高尾山と君津市の鹿野山のちょうど中間にあたります。
高尾山も鹿野山も修験道の道場で、修験道は天狗と深い関わりがあります。
特に高尾山では飯綱権現を祀っており、天狗とゆかりの深いところです。

この高尾山の天狗が鹿野山まで飛んで行った帰りに、疲れて休憩するのが金刀比羅神社の松の木の上だったのだそうです。

そんな事情で天狗の像が木に彫られているのだそうです。
上り階段はちょっと大変ですけど、神奈川台の坂道を上る予行演習だと思って天狗を見に行くのも良いでしょう。

  

(歩き旅応援舎代表 岡本永義)

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