2024.9.9
戸塚は歴史のある町ですが、ここに競馬場があったというと驚かれる人も多いと思います。場所はここ。
東海道から柏尾川を渡った反対側、現在は日立製作所の横浜工場がある場所です。
公益財団法人馬事文化財団ホームページの「学芸員だより」によると、神奈川県の地方競馬は川崎景競馬場と戸塚競馬場の2か所で開催されていました。
このうち戸塚競馬場は戸塚宿内の東海道から柏尾川を渡った反対側に、昭和8年(1933)に設営されました。
競馬場ができるまで、この場所は畑が広がっていました。
競馬場ができた跡もコースの内側は畑だったそうです。
こんな草ボウボウの競馬場だったのですが、戸塚駅からも近く大変な人気があったそうです。
その当時の写真が、上記の「学芸員だより」に載っています。
残念ながら昭和10年代は戦争のために地図の発行が極端にすくなく、国土地理院まで行って調べたのですが、競馬場が記載された地図は1枚もありませんでした。
上の地図は競馬場設立の40年ほど前のものですが、昭和初期も同様に田園地帯でした。
赤丸のあたりが競馬場の跡地です。
戦争中の昭和17年に競馬場は現在県立戸塚高校がある汲沢町に移転していますから、戸塚宿に競馬場があったのは、ほんの9年ほどにすぎませんでした。
競馬場の跡地には、軍事用レンズの生産強化のため、すでに戸塚に大規模工場をもっていた日本工学工業(現ニコン)の南工場が建設されました。
しかし結局戦争が原因となって、汲沢町の競馬も昭和19年にいったん閉鎖、その後昭和21年に再開したものの、同じ県営の地方競馬であった川崎競馬場に人気を奪われ、昭和29年に県議会で廃止が決定しました。
こうして昭和前期に人気を博した戸塚戸塚競馬は姿を消しました。
しかし戸塚宿にはその名残があります。
東海道を江戸方見附跡から戸塚宿に入ったら吉田大橋を渡り、セブンイレブンの前を過ぎると右手に郵便局があります。
この郵便局の向かいにある道を入ると駒立橋という橋があります。
この橋を渡ると競馬場だったことから、「駒立橋」と名付けられた橋です。
小さな橋ですが、自転車や歩行者の通行が多い橋です。
昭和30年代には橋の対岸の競馬場跡地は日立製作所の横浜工場となりました。
かつて戸塚宿に競馬場があり多くの人で賑わったことも、駒立橋という橋のの名前以外には、知るきっかけすらなくなってしまいました。
(歩き旅応援舎代表 岡本永義)
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