2024.9.18

私が何年か前まで飼っていたネコです。ネコの保護会からもらってきました。元ノラ猫です。

むかしの飼い猫

耳が折れていることからもわかるとおり、遺伝子異常をもって生まれてきたネコで、獣医さんからも長生きはできないと聞いていました。

眉間にシワを寄せたムズカシイ顔をしたネコで、私も眉間にシワを寄せていることが多いものですから、うちを訪ねてきた人が眉間にシワを寄せた顔が並んでいるのを見て、よくビビっていたものでした。

こんなムズカシイ顔をしていましたが、名前を呼ぶと現れて足下でゴロッと横になる、そんなかわいいところがありました。

長生きはできないと言われましたが15年も生きて、そして天に召されました。
別れが来るのが悲しいものですが、ペットを飼うときの宿命です。

東海道にはヘビを飼う話が残っています。
場所は戸塚区影取町、その藤沢市との境付近には鉄砲宿という呼ばれていた古い地名があるところです。
「影取町」という変わった地名も、このヘビの物語が由来だといわれています。

影取町

昔むかし、藤沢宿の大鋸の長者屋敷の蔵に住み着いたヘビがいました。
長者屋敷の人たちは「蔵にヘビが住むとは縁起がよい」とヘビに「おはん」と名前をつけ、餌を与えてかわいがっていました。

大鋸とは戸塚宿と藤沢宿の間にある高台から、藤沢宿の遊行寺の方にむかって下っていく坂道沿いの町です。
その名のとおり、大工集団が住んでいた場所とされています。

ところが大鋸の長者はその後没落してしまいました。
おはんはそれを知り、長者に餌をもらい続けるのは心苦しいと、自ら蔵を出て坂を上り、高台の上にある諏訪神社の裏にある池に住むことにしました。

諏訪神社

諏訪神社は今でもありますが、裏に池はありません。
昔は池があったのか、それともおはんの物語は単なる伝説にすぎないのか、そのあたりはわかりません。

長者の家を出たおはんですが、餌を与えられて育ったために、自ら餌をとるすべを知りません。
やがて空腹に耐えかねたおはんは、池の水面に映る通りすがりの人の影を飲み込むようになりました。
影を飲むと、空腹が満たされたような気がしたのです。

ところが影を飲まれた人たちは、体が弱って寝込むようになってしまいました。
やがて諏訪神社の裏の池は「影取池」と呼ばれて恐れられ、近づくと大蛇に影を取られると噂になりました。

そこで周囲の村の人たちは、鉄砲の名手である猟師を雇い、ヘビを退治することとしました。
しかしおはんは用心深く、なかなか姿を見せませんでした。

この影取池のヘビを、以前に長者の蔵にいたヘビではないかと気づいた人がいました。
そこで長者屋敷の人の声色を真似て「おはん、おはん」と岸辺から呼びかけたのです。

これを水の底で聞いたおはんは「懐かしいご主人様が会いに来てくれた」と思い、うれしさで水面から顔を出してしまいました。
そこを猟師の鉄砲で頭を打ち抜かれ、おはんは死んでしまいました。

鉄砲宿交差点
鉄砲宿バス停

この物語に出てくる猟師が住んでいた場所が鉄砲宿という地名として残ったと言うことです。
現在は鉄砲宿という地名はありませんが、交差点名やバス停の名前として残っています。

近くにはおはんの絵も載っている説明板もあります。

絵付きの説明板

→つづく

   

(歩き旅応援舎代表 岡本永義)

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