2024.9.22

源頼朝は若いころ、平清盛によって伊豆に流されていました。
清盛との戦に敗れてのことですが、京都から遠い伊豆では監視の目もゆるゆるだったらしく、地元の女に手を出したりとけっこう気ままな生活を送っていたようです。

そんな頼朝でも厚く信仰していたのが三嶋大社でした。
伊豆の一の宮で東海道沿いにあります。
歌川広重も浮世絵に描いています。

歌川広重「東海道五拾三次 三島朝霧」

現在はこんな感じです。
上の浮世絵とはちょっとアングルが違いますが、鳥居の写真を撮りました。

現在の三嶋大社の鳥居

三嶋大社は瀬戸内海に浮かぶ大三島に祀られている大山祇神社の祭神であるオオヤマツミノカミとオオクニヌシの子であるコトシロヌシの2柱の神様を「三嶋明神」として祀っていると言われることが多いのですが、これは後から日本神話の神様に集合させたもので、國學院大學の研究によれば本来は伊豆の火山を神として祀ったものなのだそうです。

三嶋大社本殿

さて、東海道藤沢宿です。
藤沢は源頼朝が幕府を開いた鎌倉から近く、遊行寺坂(道場坂)を下りきったところからは鎌倉道がはじまっています。

藤沢宿から始まる鎌倉道

この道を進むと大仏切通をへて鎌倉に入ります。

そんなわけで藤沢宿は鎌倉との交通が頻繁に行われたらしく、鎌倉幕府ゆかりのスポットがいくつもあります。
その1つが源実朝が建立したと伝わる感応院です。

感応院

上に写真のある鎌倉道が始まるところの近くにある真言宗のお寺です。
頼朝の子供の実朝が、頼朝の念持仏だった不動明王を祀るために建てたというのですが、それ以前に頼朝が己が信仰していた三島明神を祀る御堂を建てていたらしいのです。

鳥居の額に「三島大明神」

その御堂が今も残っています。
感応院の境内にある三嶋堂です。

三嶋堂

この三嶋堂、よく見ると支柱1本に支えられて宙に浮いているのです。
なぜかというと、この支柱を中心にして御堂が回転するように造られているからです。

宙に浮いている!

あいにくここ近年は回すことが回すことが禁止され、縄がかけられて動かないようになっていますが、YouTubeには回転する様子の動画が載っています。

古い動画ですので画像はあらいのですが、回転の様子をごらんください。

   

(歩き旅応援舎代表 岡本永義)

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