2024.10.7

東京日本橋から京都三条大橋までの東海道は富士山の南側を通っていますので、西向きに歩けば富士山が右手に見えるのが普通です。

ところが東海道よりも北側にある富士山が左に見える場所が、茅ヶ崎にはあるのです。

もちろん京都側から歩くというような方法を採るのではありません。
東京から京都に向かって歩いても、左側に見えるのです。

このような場所、あるいは見える富士山を「左富士」と呼んでいます。
東海道で左富士が見える場所は2箇所、吉原宿の東と茅ヶ崎の南湖です。
それぞれ浮世絵にも描かれています。

吉原の左富士
南湖の左富士

※保土ケ谷宿と戸塚宿の間にある赤関橋でも左富士が見えるという話がありますが(筆者は未確認です)、過去の地図を遡るとこの付近は道路の改修にともなって位置が少し動いており、このために左富士が見られるようになったと考えられます。
江戸時代などの記録類には「左富士」として出てこない場所ですので、本稿では割愛します。

左富士が見えるのは、東海道が大きく湾曲して北上している場所に限られます。
茅ヶ崎市の南湖でも、道が大きく北に向かっています。

道路が黄色く塗ってあるのが東海道(国道1号)です。
このように弓なりに道が湾曲しているので、茅ヶ崎の南湖、とくに鳥井戸橋の付近からは富士山が道の左側に見えるのです。

南湖の左富士

下の写真だって富士山が東海道から正面に見えるのだから、普通だったら右が東京側、左が京都側のはずなのに、逆なんですよね。

左が東京 右が京都

ちなみに「南湖」は「なんご」と読みます。濁ります。
茅ヶ崎村の南側の集落、「南郷」が由来だといわれています。

  

(歩き旅応援舎代表 岡本永義)

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