2024.10.12
相模川の下流部を馬入川と呼びます。
一説には鎌倉時代の橋供養の日に源頼朝の乗馬が川に落ち入ったので「馬入川」と呼ばれるようになったといいます。
→源頼朝落馬の地
→旧相模川橋脚
頼朝の死のきっかけといわれている落馬のときのことと考えられますが、この話は天保12年(1841)にかけて昌平黌において編纂された『新編相模国風土記』に載っています。
ただし同書には「俗訛」(俗説)とも書いてあり、地名や橋名の由来として本当かどうかはわかりません。
→他の説についてはこちら
馬入川に架かる橋の話は以前にも書きました。
上記の旧相模川橋脚は鎌倉時代に相模川に架けられた橋ですが、その場所は現在の場所とは異なります。
江戸時代には現在橋がある場所で船渡しが行われていました。
現在の馬入橋は、明治時代の木造橋と鉄製の橋、関東大震災の崩落後に陸軍が急造した橋をへて、さらに架け直されて昭和55年(1980)に完成したものになります。
ところで馬入川に架かる橋は、人と車が通る橋以外に鉄道橋があります。
馬入川橋梁です。
明治20年(1887)に馬入川の上に鉄道が開通しました。
そのときにレンガで築かれた橋台と橋脚の土台の上に鉄道橋が架けられていました。
ところがこの鉄道橋は、関東大震災によって崩落してしまいました。
その後鉄道橋は場所を変えて架け直され、現在は3本の鉄道橋があります。
この鉄道橋をグーグルの航空写真で見てみましょう。
ん???
なんと関東大震災で崩れた馬入川橋梁の橋脚が、現在の鉄道橋の間の川の中に残っているのです。
そこで東海道線に乗って川の中の橋脚の写真を撮りに行きました。
だめだ! ブレる。
高速で走る電車の中から写真を撮るのには限界があります。
こちらは川岸から望遠レンズで撮った写真です。
遠いですけど、こっちの方が鮮明です。使われていた鉄筋や石材、レンガの一部も写っています。
ところで、川の中だけではなく、このレンガ製の橋脚は河原にもありました。
現在は上部が壊されていますが。根元部分が平塚側の河原に残っています。
コンクリートとレンガでできていた橋脚の断面を見ることができます。
そして橋を両端から支える橋台もレンガでできていました。
こちらも茅ヶ崎側のものはすぐ近くに行ってみることができます。
イギリス積みのレンガで造られた見事な橋台が残っています。
東海道を藤沢宿方面から歩いてきて平塚宿へ向かって馬入橋を渡るとき、ちょっと寄り道をするとこんなレンガ遺構が見られるのです。
(歩き旅応援舎代表 岡本永義)
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