NHK大河ドラマ「べらぼう」には、蔦屋重三郎以外の版元たちも出てきます。
版元とは現在でいうところの出版社。
今とは店や商売のありかたは江戸時代にはかなり異なったでしょうし、ドラマを盛り上げるための演出もあります。
第8回まで見た限りでは、須原屋市兵衛以外の版元たちは重三郎の敵役として登場し、かなり味の濃い存在感を見せています。
ドラマの中では日本橋の版元となっていますが、彼らの店は具体的には江戸のどこにあったのでしょうか?
そして現在の東京では、そこはどのような場所なのでしょうか?
当時出版された本を見ると、版元名と住所が奥書に書いてあります。
たとえば鱗形屋だったらこんな感じ。
まずは重三郎の相談にも乗っている江戸の版元の重鎮、須原屋市兵衛の店。
版元名は「申椒堂」。
「分間江戸大絵図」を出版した須原屋茂兵衛から暖簾分けを受けた版元です。
店のあった場所は奥書によると日本橋室町二丁目でした。
日本橋室町二丁目は、現在日本橋三越の本館の周辺です。
次に鱗形屋孫兵衛、「鶴鱗(林)堂」を名乗っていました。
店のあった場所は大伝馬町三丁目。
江戸切絵図で大伝馬町を探してみると・・・
なんと大伝馬町は一丁目と二丁目しかありませんでした。
どういうことかといいますと、大伝馬町三丁目は江戸時代前期ころに通旅篭町と町名が変更しているのです。
しかしその後も町の人たちは「大伝馬町三丁目」と名乗ることが多く、鱗形屋もそのように奥書に書いているのです。
現在は日本橋大伝馬町になっています。
西村屋与八は「永寿堂」を名乗っていました。
「田村正和が死んでから、西村屋は調子に乗ってないか?!」と一部で言われているあの西村屋は、馬喰町二丁目に店を構えていました。
JR総武本線の馬喰町駅があるあたりです。
江戸時代には馬喰町二丁目でしたが、現在は日本橋馬喰町1丁目と変わっています。
最後は、いつも笑顔なのに腹の中では何を考えているのかわからない鶴屋喜右衛門です。
浮世絵のお好きな人は「仙鶴堂」(遷鶴堂)という名を聞いたことがあると思います。
浮世絵を多く出版していたのが鶴屋喜右衛門です。
その店は通油町にありました。
鱗形屋があった通旅籠町の並びで、現在は日本橋大伝馬町になっています。
そして通油町の跡地にあるホテルの前には・・・
お?! 蔦重?
ホテル前には浮世絵が掲示されています。
よく見ると「耕書堂」と書いてあります。
つまり蔦屋重三郎の店です。
耕書堂があった場所については、稿を改めてこちらに書きました。
→日本橋の耕書堂 蔦重の店はどこにあった?
現在の中央区の日本橋地区、日本橋から神田川の間ですが、ここは江戸最大の荷上場があったり、中山道と日光道中が通っていたりと、商業がたいへん盛んな場所でした。
「べらぼう」に登場する版元たちは、とても栄えた商業地に店を構えていたのです。
(歩き旅応援舎代表 岡本永義)
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