大河ドラマの「べらぼう」の主人公の蔦屋重三郎、吉原大門の前で茶屋兼書肆(本屋)を営んでいましたが、やがて日本橋に進出します。
ただし日本橋といってもこの浮世絵にある橋の近くではなく、実はけっこう離れています。
明治から昭和前期にかけての日本橋区だったところのどこかに、店を出したのです。
その場所とは通油町。
ドラマの中では蔦重のライバルである「赤子づら」の鶴屋喜右衛門が、店を開いていたのと同じ町内です。ただし本当はふたりは仲良しだったという研究成果もあります。
通油町は現在の日本橋大伝馬町の一部です。
その跡地に行ってみるとホテルがあります。
そのホテルの入口の横には
そしてホテルの柱にも
ホテルの前に蔦屋重三郎の耕書堂があったと書いてあるではありませんか!
ホテルの向かいの歩道には、説明板も設置されています。
でも注意すべきことがあります。
耕書堂があった場所は、通油町とまでしかわからないのです。
当時の町屋や商家については、だいたい書き残されているのは町の名前まで。
その町の中のどこにあったのかまでわかる例は非常に稀です。
だから耕書堂跡の説明板もよく見ると
「この地域には」と書いてあります。「ここに」と特定はしていないのです。
ホテルの表示や説明板を見て「蔦重の耕書堂はここにあった!」と思うのは早合点なのです。
「べらぼう」に登場する他の版元たちの店の場所についてはこちら。
→「べらぼう」の版元たち
(歩き旅応援舎代表 岡本永義)
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10月12日 生麦~保土ケ谷宿
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11月15日9:00~16:30ころ
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11月22~23日 蒲原宿~東静岡
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