東海道五十三次の11番目の宿場は三島宿、12番目の宿場は沼津宿です。
三島宿から沼津宿へと歩いて行くと、清水町に八幡神社があります。
八幡神社には、源頼朝と義経の兄弟にまつわる伝説があります。
源頼朝が伊豆で挙兵し、いったん敗れはしたものの再起して鎌倉を拠点に定め、その後平氏方が差し向けてきた軍を迎え撃つために西へと向かいました。
このときに鎌倉軍の先鋒は富士川に達しており、対岸にいた平氏軍は水鳥の羽音に驚いて逃げ出すという「平家物語」に出てくる富士川の合戦となるのです。
このとき頼朝はまだ富士川には達しておらず、黄瀬川宿に本陣を置いていたといいます。
黄瀬川には戦国時代ころまで宿場があったようです。
黄瀬川の西側にあり、当時の書物には「黄瀬河宿」「木瀬川宿」の記載が見られます。
よりともは黄瀬川宿に本陣を敷いていたのですが、ここを訪れてきた一行がありました。
奥州の藤原氏に身を寄せていた、弟の源義経主従がやってきたのです。
ここで兄弟の感動の対面となったといわれているのですが、そのときに頼朝と義経がそれぞれ腰掛けたと伝わる石が八幡宮の境内にあるのです。
それが「対面石」です。
すぐ隣の柿の木は、そのときに頼朝が食べた柿の種を吐き出したところに生えてきたものと伝わっています。
む~ん・・・ 本当か???
この石については、その由来が大正5年に編纂された「静岡県駿東郡誌」に記されています。
江戸時代後期の文化8年(1811)にこの付近を領する旗本の久世三四郎(広孝のこと?)が陣屋を築いたところ、庭に白頭石の青石が2つ並んでおり、この石に腰掛けて源頼朝と義経の兄弟が対面したという伝承があったため、これを顕彰するために碑を建てた、というのが同書の記述です。
ところがこの記述を裏付けるものがありません。
そこが伝承の伝承たる由縁なのですが、例えば「吾妻鏡」の源頼朝・義経の対面のくだりは、対面の場所について「御旅之館」とあるだけですし、東海道名所図会には「吾妻鏡」の記述を引用した上で、このような挿絵を載せています。
屋外で会ったことは対面石の伝承どおりですが、頼朝は石に座っているのではなく、畳のようなものを敷いています。
2つの石に頼朝と義経がそれぞれ腰掛けて兄弟の対面を果たしたというのは、まったくこの地だけの伝承に過ぎないのです。
対面石に関しては東海道に大きな看板も出ていますので、なんだかがっかりする話です。
ただ八幡神社に行ったら、めずらしい経験もできます。
老朽化によってはずされた鳥居が境内に置いてあるのですが、日ごろは触れることができない笠木にまで手が届くようになっています。
踏み台も置いてありますので、ぜひお試しください。
(歩き旅応援舎代表 岡本永義)
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