慶長6年(1601)に東海道宿場制が始まったとき、江尻宿は今の場所よりももっと北にありました。
戦国時代までの東海道は、江戸時代の道よりももっと北、庵原川から駿府城の北西に向かうルートを通っていました。
現在の北街道です。


江尻宿も巴川のもっと上流の北街道にありました。
それが慶長12年(1607)に東海道の付け替えと、それに伴う江尻宿の移転がありました。
そのときに巴川に架けられたのが稚児橋です。

この稚児橋の名の由来には次のような伝説があります。
巴川に架かる橋が完成し、渡り初めの橋供養が行われることとなりました。
最初に渡るのは江尻の町に住んでいる高齢の夫婦が選ばれました。
さて、橋供養の当日、夫婦が渡ろうとすると巴川の中から稚児が現れ、橋脚をするすると登ると夫婦より先に橋を渡り、再び川の中に消えていったのです。
今のはなんだ? 河童に違いない、というわけで、稚児橋と名付けられたと伝わっています。
そんなわけで、稚児橋の四隅には河童の像があります。


稚児橋のたもとには河童の腰掛石と呼ばれる石が置かれています。

橋の東側にある小さな和菓子店「甘静舎」には、河童にちなんだお菓子がたくさんあります。

ところで、上記の河童の腰掛石ですが、見る人が見たらわかると思います。


そうです。
石垣の石です。
駿府城の石垣の石は巴川の上流で採石され、川を船で下ってきたのです。
そのときに川に落とした石が多数あり、江戸時代には徳川将軍家の石ということで勝手に引き上げることはできませんでしたが、明治以降に資産家たちによって川から石が引き上げられるにいたりました。
引き上げられた石は河童の腰掛石以外にも、稚児橋の近くにあります。
たとえば巴川コーポレーション清水事業所の門

慈雲寺の門前の寺の名前が書かれた石

この寺の庭石「八ツ石」

河童伝説から石垣石まで、稚児橋もよく見ると面白いです。
甘静舎の河童のお菓子も是非味わってみてください。
(歩き旅応援舎代表 岡本永義)
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