東海道の吉原宿は、江戸幕府から宿場の指定を受けてから2回にわたって移転をしています。

歌川広重「東海道五拾三次之内 吉原左富士」

江戸時代以前は現在のJRと岳南鉄道の吉原駅の西側、富士市鈴川町の海の近くにありました。
ここには鎌倉時代ころから宿場があり、「見付宿」と呼ばれていました。
それが江戸幕府より宿場に命じられたころには吉原駅の東側付近が宿場になっていました。
しかし寛永16年(1639)ころに北に移転することになります。

見付宿跡の碑

このときは津波によって甚大な被害を受けた、あるいは宿場に土砂が堆積して住めないようになったことから移転しました。
移転した先は現在の左富士神社があるところから西側です。

左富士神社

もう1回の移転は延宝8年(1680)。
台風による高潮により宿場が壊滅したためです。
そして現在の岳南鉄道吉原本町駅の付近に移ったのです。

現在の吉原宿

これら2回の移転により、最初に吉原宿があった場所を元吉原、最初の移転後の場所を中吉原と呼ぶようになりました。

最初に吉原宿のあった元吉原ですが、砂山の六地蔵と呼ばれている場所があります。

砂山の六地蔵

絶 景 で す !

この場所は坂道を上ったところに地蔵堂と閻魔道が道の両側にあり、六地蔵のあるのは閻魔道の横になります。
高台の上ですので、富士山や田子の浦港がよく見える場所です。

六地蔵は1体1体形が少しずつ違いますので、それぞれ別の時代に造られたものと考えられています。
最初から六地蔵だったわけではなく、あとから6体のお地蔵さんが集められたもののようです。

六地蔵を背景にした富士山は、いつでも見られるわけではありません。
やはり湿度が低く晴れていることが、きれいに見える条件になります。

元吉原にはこのほかにも、三ツ股淵の生贄伝説にかかわる阿字神社や江戸時代中期の俳人山口黒露の墓、踏んじゃいけない六角井戸のマンホールなどがあります。

阿字神社
山口黒露の墓
六角井戸のマンホール

東海道のガイドブックには書かれていることが少ないスポットですが、少し寄り道をすると楽しいですよ。

   

(歩き旅応援舎代表 岡本永義)

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