徳川家康が竹千代と名乗っていた幼少時に織田氏と今川氏の人質だったことは、大河ドラマなどでも描かれています。

静岡駅前の竹千代像

人質となった理由は、家康の生まれた三河の置かれた状況にあります。
小豪族が割拠していた三河では、東の大勢力今川と西の新興勢力織田にはさまれて、まさに今川と織田の草刈場となっていました。

三河の豪族たちは、今川に付くか、織田に付くかで生きるか死ぬかが決まったのです。

家康の父である松平広忠は今川方に付いたところを織田方に攻められて、たったひとりの男児であった竹千代を人質に差し出すことになりました。

竹千代はまず織田信秀(織田信長の父)のもとに人質に行き、およそ2年後に今度は今川義元のもとで人質となりました。

静岡駅前の今川義元像

人質と言っても、けっして粗末に扱われていたわけではありません。
家康が生まれた岡崎の松平家は、三河最大の豪族でした。
織田も今川も三河支配の要として松平家を味方に付けることが目的で人質を要求したので、目的達成のために竹千代もそれなりの扱いをうけていたと考えられます。

熱田にある家康幼時幽居の地の看板

織田の人質だったときは、竹千代は熱田に住んでいました。
→徳川家康幼時幽居の地

熱田で2年ほど過ごした竹千代は、織田と今川との人質交換で今度は駿府に住むことになりました。
名古屋市南区にある笠覆寺(笠寺)の境内には、人質交換之地の碑があります。

笠覆寺
人質交換之地の碑

駿府では竹千代がどこに住んでいたのかは判然としません。
今川義元は竹千代を将来は今川家の有力武将に育てようとしていたようです。
そのため竹千代は義元からずいぶんと可愛がられていた節がうかがえます。
今川一族の女を竹千代、元服して松平元信(後に元康と改名)となった家康の妻としているくらいです。

家康が若いころに来ていた金色の甲冑も、今川義元から贈られたものともいわれています。
レプリカが岡崎城公園内の歴史博物館「三河武士のやかた家康館」に展示してあります。

三河武士のやかた家康館にあるレプリカ

一方で駿府、今の静岡市葵区の中心部には、プラモデル風の金の甲冑が置かれています。

駿府城公園にあるプラモデル風金の鎧

静岡は日本で精算されるプラモデルのシェアの7割を占める、プラモデルの町なのです。

静岡駅の近くにあるくし小梳神社は、竹千代の病気治癒を今川義元が祈願した神社といわれています。
この神社の並びに竹千代の屋敷があったとも言われていますが、残念ながら神社は今川氏の時代から移転していす。
もとあった場所はよくわからないのです。

小梳神社

伝承レベルの話ですが、竹千代は今川義元の「軍師」と言われることが多い僧侶、太原崇孚雪斎から教育を受けたといわれています。

太原崇孚雪斎像

雪斎は臨済宗のその名も臨済寺に住職でした。
この寺で竹千代は雪斎から学問や兵法を教わったという伝承があるのです。

臨済寺
東照宮御手習いの間

臨済寺はのちに駿府を攻めた家康によって、再建を約束の上で焼き払われています。
ですから「御手習いの間」も復元されたものとされていますが、このあたりはどこまで本当なのかわかりません。

家康は人質時代を含め、人生のうちおよそ28年を駿府で過ごしました。
だから静岡駅前や駿府城には家康像が建てられています。

静岡駅前の徳川家康像
駿府城公園の徳川家康像

   

(歩き旅応援舎代表 岡本永義)

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