吉原遊郭の五十間道から日本橋の通油町へと、天明3年(1783)に蔦屋重三郎は店を出します。
ただしその店の場所があったのがわかるのは「通油町」までで、具体的な場所までわからないのは以前に書いたとおりです。
→日本橋の耕書堂
大河ドラマ「べらぼう」の影響なのか、耕書堂跡の説明看板も新しいものに設置され直しました。
以前の看板との違いは、かつての看板では「この地域には」蔦屋の耕書堂があったと書いてあったのに対して、新しい看板では「この通りに面する「通油町」には」に変えてあることです。
また、以前の看板は中央区教育委員会が設置したものであるのに対して、新しいものは設置者が書かれておらず、「監修 中央区教育委員会」とだけ書いてあります。
さて、具体的な場所がわからないままでは蔦屋のお店をドラマでは描けません。
そこで「べらぼう」の中では蔦屋はここにあった設定になっています。
ドラマには蔦屋の店のすぐ近くに川と橋が出てきます。
安政6年(1859)に発行された金鱗堂尾張屋から発行された「江戸切絵図 日本橋北両国浜町明細絵図」を見ると、通油町に面した川は浜町川、架かっている橋は緑橋と出ています。
浜町川は昭和25年(1950)に埋め立てられてしまい、緑橋の跡地は普通の道路になっています。
ちょうどこんな具合に橋が架かっていました。
この橋のたもとから蔦屋重三郎の店は始まり、角を曲がったところに店の入口があるというのが、「べらぼう」の中での店の場所の設定です。
大河ドラマ「べらぼう」はあくまでドラマですから、事実と異なるところもあります。
わからないところを想像で埋めた部分も、もちろんあります。
それを前提にドラマやその関連地をめぐる町歩きを楽しみたいものです。
(歩き旅応援舎代表 岡本永義)
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