2024.9.16
東京都渋谷区に原宿という町があります。
山手線の駅があり、おしゃれな洋服店や人気の飲食店が並び、いつも多くの人たちが行き交う町です。
同じ名前の町が東海道にもあります。14番目の宿場、原宿です。場所は現在の沼津市です。たります。
こちらは東海道原駅近くの国道1号ぞいにあります。渋谷区の原宿とちがって静かな町です。
この宿場とは別に、東海道にはもうひとつ原宿というところがあります。
場所は横浜市戸塚区、戸塚宿から藤沢宿へと向かう高台の上にあたります。
かつては立場だったところで、今も原宿交差点近くの和菓子店「菓匠亀福」さんでは、茅葺き屋根の茶店をかたどった「原宿もなか」を販売しています。
日本中のあちこちに原宿という地名はあるようです。
マピオンのサイトで「原宿」と入力して検索すると、東京都渋谷区、静岡県沼津市、そして横浜市戸塚区のほかに、神奈川県相模原市緑区、埼玉県日高市、栃木県日光市などに原宿という地名があるようです。
また、平凡社の「東京都の地名」によると、東京だけでも渋谷区以外に台東区や八王子市に「原宿」の地名があるそうです。
字名を含めたら、もっとたくさんの原宿があると思われます。
原宿の地名由来ですが、戸塚区の原宿の場合は「庵野の原」と呼ばれていたのがはじまりとか。「庵」には農作業のための小屋という意味があります。
沼津市の原宿は「浮島が原」、東海道の北側になった広大な湿地帯です。
渋谷区については地名由来ははっきりしなかったものの、品川宿の助郷だったとあることから農村だったことが由来と思われます。
つまり原宿は「草が生えた場所」から地名が付いたものが多いようです。
江戸時代の東海道の絵図を見ると、戸塚区の原宿は当時は家屋が集まる村がありました。
東の外れに一里塚と浅間神社があり、大運寺をほぼ中心にして原宿の交差点付近まで家屋が並んでいた様子が描かれています。
「原宿村」と書いてあり、そのなかに「台立場」の文字が見えます。
高台の上にあったため、立場の名前は「原宿」ではなく「台」と呼ばれていたようです。
一方で戸塚宿の助郷でもありましたので、立場として街道沿いで商売をするとともに農村でもあったのでしょう。
助郷とは宿場で荷物運びの馬と人足が不足したときに、馬と人を宿場に供出することを義務づけられた農村のことです。
武家と宿場以外で馬がいるところなんて、農村くらいしかありませんから。
そんな原宿に転機が訪れたのは太平洋戦争中の昭和18年(1943)のこと。
この何もなかった原宿に戸塚海軍病院ができたのです。
これが戦後に国立横浜病院となり、現在の独立行政法人横浜医療センターになりました。
近くには海軍の軍医学校もあり、かつては上州屋の駐車場に碑があったのですが、この碑はいつの間にかなくなってしまいました。
海軍の病院ができたことで、周囲には商店などが建つようになり、今も東海道である国道沿いには多くの飲食店をはじめとした商店が並んでいます。
さらに日本が高度成長期にあった昭和39年(1964)には原宿交差点から北西約1キロのところに遊園地、横浜ドリームランドが開園しました。
横浜ドリームランドは平成14年(2002)に閉園し、現在跡地は横浜薬科大学になっていますが、ドリームランドが人気だったころには原宿交差点は休日になると長大な渋滞が起こり、そのため交差点にアンダーパスが造られたくらいです。
こうして農村だった原宿はどんどん発展していきました。
そして道路も拡張され、道端に置かれていた庚申塔などの石塔や石仏は、ところどころに集められるようになりました。
戸塚宿から藤沢宿までは少し距離がありますし、飲食店が多いのです休憩や食事にはちょうどよい場所、それが現在の原宿です。
(歩き旅応援舎代表 岡本永義)
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2026年
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月に1回日帰りで歩く東海道五十三次の旅。4月までは比較的短い距離をライトに歩きます。 - 日帰りであるく東海道 第2期 生麦~藤沢宿東海道歩き旅第11シリーズ
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2026年
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3月7日 保土ケ谷宿~戸塚宿【受付終了】
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月に1回日帰りで歩く東海道五十三次の旅 - 日帰りであるく東海道 第1期 日本橋~生麦東海道歩き旅第13シリーズ
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1月12日 日本橋~品川宿【受付終了】
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月に1回、日帰りで東海道五十三次を歩くイベント。日本橋を新規スタート。
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