2024.8.30
天然理心流といえば幕末の新撰組、近藤勇らその主要メンバーが使った剣術流派として知られています。
その天然理心流の開祖のお墓が東海道沿いにあるのです。
場所は神奈川宿と保土ケ谷宿の間、南軽井沢にある勧行寺です。
横浜市なのに「軽井沢」です。
天然理心流の開祖は近藤長裕、通称内蔵助です。
この人、よくわからない人です。
市史レベルの本に「近藤長裕」の項目があっても、その記述内容のほとんどは天然理心流4代目の近藤勇に関するものだったりします。
「江東区史」や「平塚市史」によれば、遠江の生まれの浪人で、八王子にやってきて道場を開いたのが天然理心流の始まりなのだそうです。
やがて江戸の薬研堀に道場を開いて、旗本や御家人の子弟などに剣術を教えていたようですが、さらに多摩や相模国の門弟にも剣術を教えていたことが、古文書や石碑、神社に奉納された額などからわかるそうです。
たとえば東海道を歩いて平塚宿から大磯宿に向かう途中、右手に高麗山が見えます。
歌川広重が浮世絵に描いたこの丸い山です。
この山の上にある高麗山公園に「真壁氏記念碑」がありますが、この真壁氏とは明治時代に平塚で天然理心流を教えていた真壁孝義のことで、その喜寿を門弟たちが祝って建てた碑です。
この真壁孝義の父の孝氏は近藤長裕の直弟子だった人です。
真壁孝氏が江戸まで習いに行っていたのかも知れませんが、近藤長裕は湘南付近まで広く門弟がいたのは確かです。
現在の横浜市西区近辺にも多くの門弟がいたらしいことが、勧行寺のお墓からわかります。
近藤長裕は文化4年(1807)に没し、深川の八右衛門新田(現在の江東区北砂町)にある妙久寺に葬られました。
妙久寺に埋葬墓があるのですが、そのほかにも軽井沢の門弟たちが建てたのが勧行寺にあるお墓なのです。
ちょっと古い写真ですが、NHKの大河ドラマで「新選組!」を放送していた頃は、「誠」の旗がお墓の横にありました。
もちろん近藤長裕は新選組とは全く関係ありません。
ちなみに近藤勇の首塚と呼ばれている場所も東海道の途中にあるのですが、その話はまた別の機会に。
(歩き旅応援舎代表 岡本永義)
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