大磯には横穴墓がたくさんあります。
「日帰りであるく東海道」でも善福寺と城山公園の横穴墓に立ち寄ります。

善福寺の横穴墓
城山公園の横穴墓

横穴墓はかつては先住民の住居という説もありましたが、現在では古墳時代後期の墓で結論されています。

大磯は古代に相模の国府があったことからも推測できるとおり、かなり昔から人が多く住んでいたところ、しかもある程度の権力をもった有力者が住んでいたところと考えられます。

しかも高麗山はその名からもわかるとおり、朝鮮半島からの渡来人たちが住んだ場所です。彼らもその有力者のうちに加えてよいでしょう。

このような時代背景のあった大磯ですから、横穴墓は無数にあります。
大磯ガイド協会のガイドさんによりますと、大磯に横穴墓は1000基以上はあるのではないかと推測されているそうです。そのうち現存しているものは600程度、そのうち埋もれてしまったものもありますので、見ることができるのは200程度といわれています。

これらの横穴墓の多くは東海道を歩いていて右手に見える高麗山や王城山にあります。
私も横穴墓群を訪れようと思ったのですが、2度ほどトライしたものの、地図すらない場所であることから断念しています。

このたび、大磯ガイド協会が横穴墓を訪れるウォーキングイベントを開いたことから、これに参加して訪れてきました。

念 願 の 横 穴 墓 !

横穴墓がある王城山は安田善次郎が山ごと買い取り、園地として開放しようとしていた場所です。
そのため安田善次郎邸別邸(現在は安田生命研修所)の前から山道に入っていきます。

最初に遭遇するのが王城山横穴墓群です。
園地計画があったため、横穴墓の中には灯籠や像が入れられています。

王城山横穴墓群

七福神の像も山中のあちこちに造られたそうなのですが、現在見ることができるのは布袋像だけだそうです。

コンクリート製の布袋像

そして延々と山道が続きます。

明治天皇の観漁碑のある王城山の山頂を過ぎると舗装道路があります。
戦争中に海軍が防空施設を山頂に造ったときに使ったので、海軍道路と呼ばれています。

そして以前に来たことがある釜口古墳。
そのときは化粧坂の方から坂道を上ってきました。

釜口古墳

この付近では珍しい切石を組み合わせた古墳で、石室の入口が露出しています。
石の長さが朝鮮の尺度が用いられていることもあり、渡来人と関わりのある墓だと言われています。

そして釜口古墳から北に向かった未舗装の道路沿いにある前谷原北横穴墓群。
残念ながらほとんど土に埋もれています。

前谷原北横穴墓群

さらに山道を進みます。
倒木を乗り越えたり、くぐったり。
かなりハードな道です。
一人で来ていたら迷っていたこと必定です。

そんなところにも横穴墓群があります。
後谷原南横穴墓群です。
でも、ここの横穴墓もほとんどが土砂に埋もれています。

後谷原南横穴墓群

次に現れたのは石切場横穴墓群。
そんなのとおり横穴墓の入口部分の岩が採石されていて、横穴墓の石室部分が露出した横穴墓群です。

石切場横穴墓群

一説には小田原城の石垣を採るのに使ったというのですが、足場の悪さ、道の険しさから異論もあるようです。

また山道です。

そして最後に到着したのが楊谷寺谷戸横穴群。
ここが一番多くの横穴墓が残っている場所です。

楊谷寺谷戸横穴墓群

残っているとはいっても、横穴墓は埋葬後に入口を塞ぐものですので、開いているのは盗掘に遭い入口を掘り出したまま放置されているものです。
保存状態がいい、というのはちょっと違うのです。

盗掘のために隣の横穴墓に向かって穴を開けられたものもあります。

盗掘時に開けられた穴

入口横に小さく開けられた四角い穴がある横穴墓もあります。
この小さな穴は、なんのためのものだか解明されていないそうです。

謎の小さな穴

この後も山道を通って帰りましたが、帰り道は比較的落ち着いた道で、案内の看板もありました。

とにかく、最後に訪れた楊谷寺谷戸横穴群以外は、道を知らない人が一人で訪れるのは無謀です。
現地のガイドさんに連れて行ってもらいましょう。

大磯ガイド協会のホームページ

  

(歩き旅応援舎代表 岡本永義)

東海道歩き旅イベント 参加者募集中

それが歩き旅応援舎の東海道歩き旅イベントです。

「日帰りで歩く東海道」  日本橋~原宿を日帰りで歩きます。全15回
「京都まで歩く東海道」  原宿~三条大橋を一泊二日で歩きます。全18回
それぞれ月に1回ずつ歩いて、東京の日本橋から京都の三条大橋をめざすイベントです。

以下のイベントが参加者募集中です。途中からでもご参加いただけます。
このブログには書いていないことが、実際の東海道にはいっぱいあります。
もっとくわしくお話をしながらガイドがご案内いたします。

一緒に東海道を歩きませんか?
人生の宝となるような経験、そのためのお手伝いをいたします。

  • 京都まであるく東海道 第7期 岡部宿~磐田
    東海道歩き旅第7シリーズ
    開催日時
    2026年
    1月24~25日 岡部宿~島田宿
    2月28~3月1日 島田宿~掛川宿
    3月28~29日 掛川宿~磐田
    参加費 各回5000円
    月に1回、一泊二日で歩く東海道五十三次の旅
  • 日帰りであるく東海道Light 第2期 品川宿~生麦
    東海道歩き旅第12シリーズ
    開催日時
    2026年
    2月4日 品川宿~大森
    3月4日 大森~川崎宿
    4月1日 川崎宿~生麦
    参加費 各回3000円
    月に1回日帰りで歩く東海道五十三次の旅。4月までは比較的短い距離をライトに歩きます。
  • 日帰りであるく東海道 第2期 生麦~藤沢宿
    東海道歩き旅第11シリーズ
    開催日時
    2026年
    1月10日 生麦~保土ケ谷宿【受付終了】
    2月7日 保土ケ谷宿~戸塚宿
    3月7日 戸塚宿~藤沢宿
    参加費 各回3500円
    月に1回日帰りで歩く東海道五十三次の旅
  • 日帰りであるく東海道 第1期 日本橋~生麦
    東海道歩き旅第13シリーズ
    開催日時
    2026年
    1月12日 日本橋~品川宿【受付終了】
    2月8日 品川宿~蒲田
    3月8日 蒲田~生麦
    参加費 各回3500円
    月に1回、日帰りで東海道五十三次を歩くイベント。日本橋を新規スタート。
  • 日帰りであるく東海道 第3期 藤沢宿~国府津
    東海道歩き旅第10シリーズ
    開催日時
    2026年
    1月11日 藤沢宿~茅ヶ崎【受付終了】
    2月15日 茅ヶ崎~大磯宿
    3月15日 大磯宿~国府津
    参加費 各回3500円
    月に1回、日帰りで歩く東海道五十三次の旅
  • 日帰りであるく東海道 第4期 国府津~元箱根
    東海道歩き旅第9シリーズ
    開催日時
    2026年
    1月17日 国府津~小田原宿【受付終了】
    2月21日 小田原宿~箱根湯本
    3月21日 箱根湯本~元箱根
    参加費 各回3500円
    月に1回日帰りで歩く東海道五十三次の旅

最新のブログ記事

  • 稚児橋  河童伝説や石垣、和菓子も
    東海道江尻宿にある稚児橋。河童の伝説がある橋で、橋の四隅にも河童の像があります。さらに橋の周囲には河童の腰掛石と呼ばれる石や、河童をかたどったお菓子まで!
  • 歌川広重「蒲原夜之雪」  温暖な町に雪が降る?
    歌川広重の浮世絵「東海道五拾三次」では、蒲原宿に雪が降る様子が描かれています。温暖で雪が降ることがほぼない蒲原ですので、この絵は広重が東海道を実際にはあるいていない根拠として挙げられることも多いのですが・・・
  • 松平定信の布団部屋  白河藩のふたつの屋敷
    大河ドラマ「べらぼう」において、松平定信は融通が利かない堅物として描かれる一方、辛いことがあると布団部屋に行って泣くという性格描写がされていました。それではその布団部屋、どこにあったのでしょう?
  • 蔦重の仲間たち  絵師や戯作者たちの墓所
    2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう」は、これまでなじみの薄かった版元の蔦屋重三郎とその周辺にいた絵師や戯作者たちを描いたドラマでした。彼らの永眠の地を訪れます。
  • 正法寺  蔦屋重三郎の墓所がある浅草の寺
    令和7年の大河ドラマ「べらぼう」の主人公蔦屋重三郎の墓所は、浅草の正法寺にあります。墓石はすでに失われていますが、復元された墓碑などのお参りができます。

ブログ記事一覧