大河ドラマの「べらぼう」の主人公の蔦屋重三郎、吉原大門の前で茶屋兼書肆(本屋)を営んでいましたが、やがて日本橋に進出します。

歌川広重「東海道五拾三次之内 日本橋朝之景」

ただし日本橋といってもこの浮世絵にある橋の近くではなく、実はけっこう離れています。
明治から昭和前期にかけての日本橋区だったところのどこかに、店を出したのです。

耕書堂刊「和唐珍解」の奥書

その場所とは通油町。
ドラマの中では蔦重のライバルである「赤子づら」の鶴屋喜右衛門が、店を開いていたのと同じ町内です。ただし本当はふたりは仲良しだったという研究成果もあります。

江戸切絵図に描かれた通油町
復刻版江戸切絵図©こちずライブラリ
現在の通油町
電信柱の住所表示

通油町は現在の日本橋大伝馬町の一部です。
その跡地に行ってみるとホテルがあります。
そのホテルの入口の横には

ホテルの入口横

そしてホテルの柱にも

エントランスの柱

ホテルの前に蔦屋重三郎の耕書堂があったと書いてあるではありませんか!

耕書堂はホテルの前

ホテルの向かいの歩道には、説明板も設置されています。

ホテル向かいの歩道に設置された説明板

でも注意すべきことがあります。
耕書堂があった場所は、通油町とまでしかわからないのです。

当時の町屋や商家については、だいたい書き残されているのは町の名前まで。
その町の中のどこにあったのかまでわかる例は非常に稀です。

だから耕書堂跡の説明板もよく見ると

蔦屋重三郎「耕書堂」跡の説明板
この地域には・・・

「この地域には」と書いてあります。「ここに」と特定はしていないのです。

葛飾北斎が描いた耕書堂
国立国会図書館デジタルコレクション「画本東都遊」より

ホテルの表示や説明板を見て「蔦重の耕書堂はここにあった!」と思うのは早合点なのです。

「べらぼう」に登場する他の版元たちの店の場所についてはこちら。
「べらぼう」の版元たち

   

(歩き旅応援舎代表 岡本永義)

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    2026年
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    月に1回日帰りで歩く東海道五十三次の旅。4月までは比較的短い距離をライトに歩きます。
  • 日帰りであるく東海道 第2期 生麦~藤沢宿
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