永禄3年(1560)、桶狭間合戦が起こりました。
東海地方の覇者であった今川義元が戦死し、勝った織田信長はその後の飛躍の契機となった戦いです。

桶狭間合戦については、かつては今川義元が上洛する途上で起こったといわれていましたが、現在ではこの見方は否定されています。
当時は今川が大きく版図を拡大しており、駿河から遠江、三河と支配下に収め、さらに尾張へと勢力を拡大していた時期にあたります。

尾張の東端に位置する鳴海城は、その南の海沿いにある大高城とともに、織田方から今川方に鞍替えし、鳴海城には今川氏の有力武将である岡部元信が送り込まれました。

これに対して織田信長は鳴海城を包囲し、大高城との連絡を絶ち、今川方からの物資の補給を遮断しました。
これに対して今川義元が鳴海城と大高城を救援するために出兵したことで起こったのが、桶狭間合戦であるというのが現在の通説的見解です。
この鳴海城、江戸時代に東海道の宿場となった場所にありました。
場所はここ。
名鉄名古屋本線の鳴海駅のすぐそばです。

赤線の引いてあるところが江戸時代の東海道です。
ただし、戦国時代の東海道はもっと北にありましたので、このころは東海道ではありませんでした。
しかしこの道が主要な街道、特に軍事において重要な道であったことは間違いありません。
知立から西の海沿いに出る道であり、鳴海から北へ海沿いに進むと熱田に出て、鳴海から南へは半田街道(地図の赤点線)が伸びています。
その半田街道の途中には湊を擁する大高がありました。

このように交通の要衝がある重要地点が鳴海でした。
そのため鳴海城が後に東海道になる道と半田街道を抑える位置に築かれていたのです。

この鳴海城が包囲されたので、今川義元は大軍を率いて救援に向かいました。
大高城への兵糧運び込みに成功し、鳴海城と大高城の連絡を切断していた砦を落とし、優勢に戦いを進めていたのですが、もう少しで義元本人が鳴海城へ到着するところで織田信長の急襲に遭い、今川義元は戦死してしまいました。
これが桶狭間合戦です。

国立国会図書館デジタルコレクションより
街道があるから城があり、城があるから街道がある。
城と街道とは切っても切れない関係にあります。
街道歩きが好きな人に、城に詳しい人が多いのもうなずけるところです。
東海道とからめて鳴海城を考えると、桶狭間合戦がなぜ起こったのかが見えてくるのです。
(歩き旅応援舎代表 岡本永義)
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