戦国時代ものの大河ドラマでは必ずといっていいほど出てくるのが、織田信長の重臣だった柴田勝家です。
信長配下で一番の猛将だったともいわれています。

織田信長の死後、織田家に内紛が起こり信長の息子たちと重臣たちは相争うこととなりますが、それを勝ち残って主家である織田家を差し置いて権力を握ったのが羽柴秀吉、後の豊臣秀吉です。
この内紛の中で柴田勝家は羽柴秀吉に敗れ、居城の北之庄城を攻め落とされて自害してしまいます。
戦国武将としての柴田家は滅びてしまいました。
勝家には実子の男児はいなかったらしく、子供たちはすべて養子だったようです。
これらの子供たちのうち、勝政は勝家が姉の子(甥)を養子にした人物で、勝家が秀吉と戦った賤ヶ岳合戦で戦死しました。
この勝政の子は幼かったために父方の祖父に預けられており、北之庄城が陥落したときも難を逃れて生き延びました。
そして慶長4年(1599)に家康に仕えて旗本となりました。
これが柴田勝重です。
勝重の子の勝興は、寛文3年(1663)に幕府の命によって薩埵峠の東海道を修繕したとされています。

勝興の子の勝門のときに知行地が三河に移り、東海道の立場である本宿(岡崎市)に代官所を築きました。

幕末の慶応元年(1865)にはその子孫の柴田勝全が一橋慶喜(後の16代将軍)の家老になっています。
一橋徳川家の家老は旗本の役職でした。
ところが中根長十郎、平岡円四郎という慶喜の家老2人が相次いで暗殺され、そのために柴田勝全が家老に任じられたようです。

柴田家は幕末には3024石を知行し、本宿の代官所でこれを管理していました。
代官は代々富田家が務めていましたが、明治になると柴田家最後の当主勝誠は東京居住を命じられ、明治2年(1869)に知行地は政府に収公されました。

現在はリノベーションされている
しかし代官所の建物である代官屋敷には、明治以降も富田家が居住し続けました。
その代官屋敷は今も残っています。

富田家は後に医業を開き、現在は代官所の跡地に富田病院が建っています。
病院の敷地内にある古い建物が、代官屋敷だった家屋です。
現在も残る代官屋敷の建物は、文政10年(1827)に建てられたものです。
柴田勝家の子孫は旗本として幕末まで存続し、柴田家の代官所の遺構が東海道には残っているのです。
(歩き旅応援舎代表 岡本永義)
【参照文献・写真出典】
「寛政重修諸家譜」
「新編岡崎市史」
「新稿一橋徳川家記」
「幕末・明治・大正回顧八十年史」
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