大河ドラマ「べらぼう」、ますますおもしろくなっています。
第15回と第16回は暗殺や陰謀が渦巻くストーリーとなっていました。
この大河ドラマは吉原遊廓が舞台といわれていますが、吉原だけが出てくるわけではありません。
吉原以外のさまざまな場所で物語が進行していきます。
過去に書いた記事と重複するところもありますが、不穏なストーリー展開となった第15回と第16回に出てきた場所を中心に、今回はお話しします。
徳川家基が倒れた場所
第10代将軍の徳川家治の嫡子で、第11代将軍と目されていた家基ですが、16歳で急死してしまいました。
ドラマでは鷹狩りのさなかに手袋ごと爪を噛んだところ、手袋に毒が仕込まれていて即死したことになっていましたが、史実とされているところでは鷹狩りの帰りに品川宿の東海寺に立ち寄ったところ、そこで倒れて3日後に没したとなっています。
東海寺は品川宿にあった臨済宗寺院で、かつては品川で一番の大寺院でした。
明治初期に新政府によって境内地のほとんどを取り上げられ、塔頭寺院の玄性院に本堂と庫裡を移しました。
ちなみに家基は「西の丸様」と呼ばれていましたが、これは将軍跡継ぎとして江戸城西の丸に住んでいたからです。
西の丸は現在の皇居にあたります。
松平武元の屋敷跡
ドラマの中で、家基の死の真相に迫った筆頭老中の松平武元は、屋敷で就寝中に暗殺されてしまいました。
松平武元の屋敷があった場所は、現在の皇居外苑にあたります。
ドラマでも「右近将監様」と呼ばれていますが、安永時代の地図に「松平右近」と書かれている場所が松平武元が住んでいた屋敷です。
平賀源内の家
平賀源内は深川の清住町に住み、ここでエレキテルを作り電気実験をしたとされています。
隅田川と仙台堀川の合流点に近いよみうりカルチャーの本社ビルの駐車場に、碑が立っています。
でも平賀源内の家があったのは、碑が立っているここではありません。
清住町は、隅田川沿いにもう少し北へ行ったところ、現在は清洲橋が架かるその東のたもとにありました。
碑を建てるときもっともネックになるのが土地の確保です。
おそらく本来の清住町の跡地に土地が確保できず、読売グループの好意によって今の場所に碑が建てられているのでしょう。
なお、町人の場合は(源内は武士ではありますが、浪人として市井で生活していました)住んでいた町までしかわからないことがほとんどです。
平賀源内が最後に住んだのは橋本町です。
ここに住んでいた家で源内は殺人事件を起こし、獄死したとされています。
ドラマの中では大工を殺した濡れ衣を着せられていました。
橋本町は現在の東神田1丁目、靖国通りの南側の都立一橋高校などがある一帯にあたります。
田沼意次の屋敷
田沼意次の屋敷は江戸城外堀(現在の日本橋川)にあった神田橋門の内側にありました。
ドラマの中では、松平武元が急死して証拠品の手袋が消えたことで意知や三浦庄司と善後策を相談したり、平賀源内に渡した金貨を突き返されたり、蔦屋重三郎から「亡八」呼ばわりされたりした場所です。
現在は経団連のビルなどが建っています。
一橋治済の屋敷
ドラマの中での出番はそれほど多くないものの、数々の陰謀や暗殺の黒幕が一橋治済。
第16話では隣にあった田沼意次の屋敷で蔦重が意次に食ってかかっていたころ、焼き芋を食べながら治済が平賀源内が書き残した「死を呼ぶ手袋」の原稿を焼き捨てさせていた場所です。
一橋治済の屋敷は「徳川民部卿殿」と書いてあるところです。
外堀にあった一橋門から、ひとつ東隣の神田橋門にいたる広大な場所にありました。
現在、丸紅本社の敷地内に碑があります。
しかしもちろん屋敷は丸紅の敷地に留まらず、大手町の合同庁舎のあたりにまで及んでいました。
吉原にとどまらず広い地域のさまざまな場所が舞台となっている大河ドラマ「べらぼう」。それらの場所を知っていると、もっとドラマが楽しくなるでしょう。
(歩き旅応援舎代表 岡本永義)
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