2024.9.1
歌川広重が描いた「東海道五拾三次」のうち保土ケ谷宿の絵です。
描いてある橋は帷子橋、保土ケ谷宿の中を流れる帷子川に架かる橋です。
現在の帷子橋は天王駅の少し北側にあります。
しかし、広重の描いた帷子橋はここじゃありません。
昭和31年にかけて帷子川の付け替え工事が行われ、帷子川の流路が変わったのです。
広重が描いた帷子橋は、天王駅の南側にありました。
その跡地には橋の欄干の形をしたオブジェが置かれています。
ところで、広重の絵には「保土ケ谷新町橋」と書かれています。
「早」みたいに見えますが、これは「田」と「丁」た縦に並べたもので、横に並べ変えると「町」ですね)
新町に対して、古町という言い方が保土ケ谷にはあります。
新町は、現在東海道と保土ケ谷宿といわれているもので、古町は現在の場所に宿場が移転する前、桜ヶ丘と呼ばれていた高台の上にあったころの東海道と保土ケ谷宿です。
古町と呼ばれている道へは、保土ケ谷宿の江戸側入口の外にあった八王子道追分を右に進んでいました。
現在の帷子橋から上流に見える橋は、今でも古町橋と呼ばれています。
現在は失われたところが多く、道がはっきりとはわかりませんが、高台の上を通って元町ガードの交差点に出ていました。
高台の上を通るのは起伏が激しく、川のそばの現在の道は水害に遭いやすいというそれぞれデメリットがあります。
水害のデメリットよりも交通の円滑さというメリットを取って、高台の上から谷間の川沿いに保土ケ谷宿を移したのです。
その時期は江戸時代のはじめころと思われますが、昌平坂学問所が編纂し文政11年(1828)に完成した「新編武蔵風土記稿」には慶安元年(1648)のことと書かれています。
広重の絵に「新町橋」と書かれているのには、このような理由があったのです。
(歩き旅応援舎代表 岡本永義)
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