東海道12番目の宿場、沼津宿には戦国時代に城がありました。
発掘によって発見された石垣やその石が、東海道沿いのところどころに復元されたり置かれたりしています。
戦国時代の沼津城は三枚橋城とも呼ばれ、武田勝頼が北条氏に対抗するために築いたと考えられています。
武田氏が滅びたときに徳川家康が沼津城を奪い、自分の四男の松平忠吉を城主にしました。
ただし忠吉はこのとき2歳だったので、城主といっても名前だけ。忠吉を後見していた松平康親が実質的な城主でした。
この松平康親はもとの名を松井忠次といいます。
戦功によって、家康から松平姓を与えられたのです。
いわゆる田沼時代の老中、松平康福は康親の子孫にあたります。
この三枚橋城は家康の関東移封にともなって、いったん徳川家の手を離れましたが、関ヶ原合戦の後には家康の重臣大久保忠佐が城主となりました。
しかし忠佐のたった1人の男児だった忠兼は慶長18年(1613)に若くして病死し、それからまもなく忠佐も死んでしまったために沼津藩の大久保家は改易となり、沼津城(三枚橋城)はやがて廃城となりました。
そして江戸時代中期、田沼意次が政治の実権を握っていた安永7年(1778)、ふたたびこの地に城が築かれました。
築いたのは水野忠友、10代将軍徳川家治の小姓から出世して、旗本から大名になった人物です。
再建されたといっても、江戸時代の沼津城は戦国時代の三枚橋城の半分から3分の1くらいの規模だったようです。
現在は本丸だったところが沼津中央公園となっています。
沼津中央公園にある説明板には、水野忠友の肖像も載っています。
水野忠友は田沼意次の失脚後、松平定信が老中首座になりました。
田沼意次の政策を支持し、田沼意次の四男を養子としていた忠友は、定信から目を付けられていたらしく、意次からの養子(後の相良藩主田沼意正)を離縁したものの、結局定信によって老中を罷免させられてしまいました。
田沼時代の老中2人と縁があった沼津城、今となっては遺構もほとんど残っていない状態です。
(歩き旅応援舎代表 岡本永義)
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